• A-
    A+
  • Українською
  • English
ウクライナ駐日大使に聞く/本紙論説主幹
17 4月 2014 10:20

露の東部軍事介入を強く警告 安保常任理事国による他国侵害―「戦後秩序への深刻な衝撃」  

ウクライナのイーホル・ハルチェンコ駐日大使は15日、同大使館で本紙の黒木正博論説主幹と単独会見し、緊迫したウクライナ東部情勢について、ロシア議会がすでにウクライナへの軍事介入を決議している上に、ロシア秘密機関による武装部隊が国内で軍事的干渉を行っており、国境周辺にもロシア軍が4万から8万人展開、なお増派されている――としてロシアによる軍事介入の可能性を強く警告した。

 

 

 

 

同大使は17日にも行われる米、欧州連合(EU)、ウクライナ、ロシアの4者協議の見通しについても「もし、それが行われればの話だ」と述べ、占拠している親ロシア武装勢力に対するウクライナ軍の作戦を口実にロシア側が同協議に参加しない可能性も示唆した。

 

 大使は、ロシアのクリミヤ編入以後の米・EU、日本などG7による対露経済制裁を含めた対応を評価するとともに、ロシアがクリミヤおよびウクライナ東部国境からの軍の撤退などに応じなければさらなる追加制裁が行われるとの見通しを述べた。

 

 一連のウクライナ危機では、安倍晋三首相が領土で対立している中国との関係をにらんで「対岸の火事ではない」と表明しているが、大使は「これは第2次大戦後、また冷戦後の最大の危機だ。そのインパクトは地球的である」とその関連性を強調、「世界の平和と安全保障の柱である国連安保常任理事国の5大国(P5)の一国が、他国の領土を奪うという行動を起こしたのは戦後世界秩序にとって深刻な衝撃だ」との見方を示した。

 

 イーホル・ハルチェンコ駐日大使 1962年、キエフ市生まれ。キエフ国立大学卒。外務省入省後、駐ルーマニア大使、外務副大臣、駐ポーランド、駐英国各大使、ドニエストル紛争解決特別代表を経て2013年駐日大使。史学博士でもある。

 

■ウクライナ東部で、武装勢力に対するウクライナ軍の投入が始まる瀬戸際だ。遠い本国で展開している状況をどう受け止めているか。

 情勢は実に危険きわまりない。(外国にいて)本国の状況や雰囲気を把握するのは非常に難しく、国にいたかった。ウクライナ東部の住民の3分の2は分離主義の活動を支持していない。すでに数人の死者も報告されている。ウクライナの国家安全保障会議は、対テロ作戦遂行を決め、昨日までに実行態勢ができ、今、最終的な命令を待っているところだ(注・15日午後発令)。なぜなら現在我々が直面しているのは、ロシアに支援された国家テロだからだ。

 

■ウクライナ東部の現在の情勢はクリミア編入の際の状況によく似ている。ウクライナ東部におけるロシアの究極的な狙いや、ロシア軍の介入の可能性について、どう見ているか。

 

 ロシアの基本的な狙いは、ウクライナという国を不安定化させることだ。ウクライナの腐敗した権力者を追放した事態を目撃して、ロシアの支配層は、次は自分たちの番ではないか、という不安を感じている。同様のことがロシアに起きないよう、あらゆる手立てを講じている。ロシアの軍事介入については、実際にすでにウクライナ国内で、ロシアの正規軍ではないが、特殊機関の武装部隊が軍事干渉を始めている。ロシア議会は3月1日の段階で、ウクライナ軍事介入ができることを決議している。そしてロシア正規軍は4万人から8万人の兵力を国境周辺に展開しており、さまざまな撤退要求にもかかわらず、むしろ増派している。正規軍による作戦を実行するかどうか、プーチンのみが知っているところで、如何なる可能性も排除できない。もちろんウクライナ軍も戦闘態勢に置かれている。

 

■7月にNATO(北大西洋条約機構)とウクライナ軍との合同軍事演習が行われるが。

 

 1997年にNATOとウクライナが特別連携協定を結んで以来、NATOウクライナ合同会議での決定に則(のっと)って、毎年、軍事演習や協力を行ってきた。しかし現在の状況は数年前と劇的に違い、ロシアによって引き起こされた危機のゆえに、NATOとウクライナの協力関係は新たな意義を帯びている。NATOは従来の取り決めを基に可能な支援態勢を、現段階までに整えている。さらにウクライナ国民の世論も最近は様変わりして、圧倒的多数はNATO加盟を支持するようになった。

 

■今回の事態は「冷戦後の欧州の最大の危機」だ。欧州とロシアの関係が危機に曝(さら)されている。その認識からEUや日本が制裁措置を取っている。

 

 G7の声明などでも明らかにされているように、ロシアが理性的な態度を取り戻さないと、さらなる代償を支払わされることになると警告されている。過去数日間に米・EU閣僚会議がルクセンブルクで開かれ、近く開かれるEUサミットでも、さらなる制裁措置が講じられよう。ロシアが事態を鎮静化しない限りやむを得ないことで、それは自ら招いたことだ。ウクライナ国民は、もっと強力な制裁措置を取るべきだと感じている。各国首脳がロシアに自制を呼び掛け、昨日は米国のオバマ大統領がプーチン大統領との電話会談をしているが、これまでロシア側からは全く何らの前向きな態度が示されておらず、むしろ圧力と脅迫を高めるように、我が国の領内に武装部隊を送って、騒擾(そうじょう)を引き起こそうとしている。14日もニューヨークで国連安保理事会が開かれた。ウクライナは秩序回復のため、特に外国からの干渉による事態の打開に対処する憲法上のあらゆる法的権利を持っている。

 

■ウクライナ危機について近々「4者協議」が行われる。これに、どのような期待感をもっているか。

 

 もしそれが行われれば、の話だ。ロシアの公然たる干渉や脅迫に直面して、ウクライナ政府がテロ勢力に対して行動を起こした時、(ロシアは4者協議への)参加を思いとどまるかもしれない。(ロシアは)汚いゲームを行っている。自国の外に火災を起こしておいて、自ら消火役を任じるというようなものだ。それは秘密機関の実に巧妙な作戦で、プーチン大統領がそうしたことに長けていることは他の地域での例でも明らかだ。それは世界中をだませないだろう。そうした彼らとの話し合いに何ほど期待を持てるだろうか。(ロシアは)実を示すべきで、すなわち軍隊を撤退させ、ロシアが占領するウクライナの地域に、憲法に則った正常化をもたらすべきだ。

 

■来月、ウクライナの大統領選挙が行われる。欧州指導者の中には、ウクライナの新政権が中立性を宣言し、連邦制を取るのが望ましいとの意見もあるが。

 

 それを決めるのは、われわれウクライナ国民だ。われわれが必要と考えれば自ら決定することで、外国の決めることではない。

 

■ロシアのクリミア編入に関連して、安倍首相はウクライナ問題を対岸の火事ではないと表明した。中国が尖閣領有権などを主張している問題などを念頭に入れていると思う。ウクライナ危機が、アジアや世界に与えているインパクトはどういうものか。

 

 クリミアの問題とウクライナ危機は、世界の指導者たちが言うように、冷戦後または第二次大戦後の最大の危機で、そのインパクトは地球的なものだ。それは戦後の世界秩序にとって深刻な衝撃だ。なぜなら世界の平和と安全保障の柱であるべき五大国、安全保障理事会常任理事国の一員である(ロシアという)国が、他国の領土を恣意(しい)的に奪うという行動を起こしたのだ。19世紀か20世紀の前半ならともかく、紛争の平和的解決が当然とされている21世紀に起こるべきではない暴挙だ。

 

■日本はウクライナに対して1500億円の支援を約束したが、それをどう評価しているか。また今後、日本にどのような期待を持っているか。

 

 日本の支援には大変に感謝しているし、こうした恩をわれわれの国民は忘れない。世界の責任ある国々と同様、日本はウクライナの側に立ってほしい。今回の事態はウクライナだけの問題ではないからだ。現在の危機は必ず乗り越えられるだろうが、もっと多くの犠牲が必要かどうかは、世界の強い支援があるか否かによる。再度言いたい、ウクライナ危機はウクライナだけの問題ではない。

 

Outdated Browser
Для комфортної роботи в Мережі потрібен сучасний браузер. Тут можна знайти останні версії.
Outdated Browser
Цей сайт призначений для комп'ютерів, але
ви можете вільно користуватися ним.
67.15%
людей використовує
цей браузер
Google Chrome
Доступно для
  • Windows
  • Mac OS
  • Linux
9.6%
людей використовує
цей браузер
Mozilla Firefox
Доступно для
  • Windows
  • Mac OS
  • Linux
4.5%
людей використовує
цей браузер
Microsoft Edge
Доступно для
  • Windows
  • Mac OS
3.15%
людей використовує
цей браузер
Доступно для
  • Windows
  • Mac OS
  • Linux