二国間関係の歴史
1991年12月28日はウクライナの日本による国家承認日である。1992年1月26日二国間外交関係が開設された。
在日ウクライナ大使館は1994年4月に登録され、開館式は1995年3月23日に行われた。開館式には当時ウドヴェンコウクライナ外務大臣が参加した。
歴代在日ウクライナ大使:ミハイロ・ダシケヴィチ(1995年1月~1999年10月)、ユリー・コステンコ(2001年3月~2006年5月)、ヴォロディミル・マクハ(2006年6月~2006年8月)、ミコラ・クリニチ(2007年2月 ~2013年2月)、イーホル・ハルチェンコ(2013年3月~2020年8月)。2020年4月14日、大統領令No.142/ 2020により、セルギー・コルスンスキーが駐日ウクライナ特命全権大使に任命されました。
当初、1992年6月12日から1993年1月19日にわたり在ロシア日本大使館(枝村大使)がウクライナを兼轄し、在ウクライナ日本大使館は1993年1月20日に開館された。歴代在ウクライナ日本大使:末沢昌二(1993年5月~1996年11月)、黒川祐次(1996年11月~1999年6月)、本田均(1999年8月~2002年10月)、天江喜七郎(2002年10月~2005年11月)、馬渕睦夫(2005年11月~2008年10月)、伊澤正(2008年10月~2011年10月), 坂田東一(2011年10月~2014年10月)、角茂樹 (2014年10月~2019年1月 ) 、倉井 高志大使(2019年1月23日~現在)。
政治対話
ウクライナと日本は、数多くの国際問題に対する相互の取り組み、順調な政治協力体制により、今後も両国関係のさらなる発展と、すべての関係分野における建設的発展に向けた強固な基盤作りが期待できる。
両国の国家主席訪問
1995年3月22日~25日クチマ大統領公式訪日
本訪問により両国間の協力関係の政治的基盤が強固なものとなった。
ウクライナ大統領および村山総理大臣による東京での首脳会談により、1995年3月23日に新たなレベルにおける両国関係の基礎となる共同声明への署名が行われ、本訪問の主な成果となった。
旧ソ連時代に締結された条約の承継を確認する書簡が両国の外相間で交換された。
2005年7月19日~24日ユシチェンコ大統領公式訪日
本訪問により、すべての面における両国関係が飛躍的に向上した。
両国首脳は会談後、21世紀における新たなパートナーシップに関する共同声明に署名を行った。
2011年1月18日〜21日、ウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領は日本政府の招きにより日本を公式訪問した。
訪問の主な成果として、幅広い二国間、国際問題に関して更なる協力において主な方向性、体系、メカニズムを形付ける、ウクライナ、日本のグローバル・パートナーシップに関して、ウクライナ大統領および日本国首相が共同宣言に調印した。本文書では、ウクライナ・日本の協力関係における優先課題や短中期的課題の実施に向けたプログラムの概要を説明する。
訪問の重要な結果として、ウクライナ国家輸出入銀行と日本銀行は、商品やサービスの輸出促進やウクライナ経済発展に向けた80億円(100万米ドル)にのぼる国際協力融資の借款契約に調印した。
2016年4月5日~7日、ポロシェンコ・ウクライナ大統領は、安倍晋三首相の招待で日本を公式訪問した。
訪問中、明仁天皇を拝謁し、安倍晋三首相、大島理森衆議院議長、山崎正昭参議院議長、森英介日・ウクライナ友好議連代表と会談を行った。
会議中、安倍晋三首相は、ウクライナの主権と領土一体性に関して無条件の支持を表明し、ロシアによるクリミアの不法併合を認めない立場を示し、金融、技術、人道面での支援を継続する用意があることを確認した。これとは別に、首相はウクライナの重要な改革実行支援に向けた継続的な日本政府の方針を強調した。
2019年10月21日、ヴォロディーミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領安は、東京で倍晋三内閣総理大臣と首脳会談を行った。
両国議会間での訪問
国会議長間での対話も1997年に始まり、2007年8月26日~30日、斎藤参議院議長がウクライナを公式訪問した。
2003年5月26日~29日、リトヴィン最高会議議長が日本を初めて公式訪問した。
1997年9月、日・ウクライナ友好議連の林会長が、両国の国会間での対話を深めることを目的にウクライナを訪問した。
2001年11月、S.B. ガヴリシ・ウクライナ国会議長が日 本を訪問し、日本の国会議員と数回の会談を行った。
来日中は天皇に拝謁し、国会関係者との広範囲な会談や、綿貫民輔衆議院議長や日・ウクライナ友好議連のメンバーや柳澤会長との会談を行った。
2003年8月、柳澤伯夫・日・ウクライナ友好議連会長がウクライナを訪問。また、2005年1月には日本政府の特使として、ユシチェンコ大統領の就任式典に参加した。
2005年5月、日本外務省の招待により、I.オスタシ・ウクライナ国会外務委員会副委員長が東京を訪問。11月には原田衆議院外務委員長が率いる国会代表団がウクライナを訪問した。
2006年、両国国会関係は新たな関係強化に向け以下の交流を行った。
5月2日~6日、柳澤日・ウクライナ友好議連会長率いる代表団がウクライナを訪問。
12月4日~10日、S.キヴァロヴ・ウクライナ国会法務委員長が訪日。
12月3日~6日、ムスタファ・ジェミレヴ・ウクライナ少数民族小委員長が訪日。
12月2日~10日、フリホリイ・ネミュリア・ウクライナ国会外務委員会メンバーが訪日。
横路孝弘衆議院議長によるウクライナ訪問(2011年9月4~7日)は、両国議会関係の更なる発展と強化に大きな弾みを付けた。訪問中はヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領やリトヴィン最高会議議長と会談を行い、チェルノブイリ原発を視察し、福島第一原発事故の処理に役立てるためウクライナの経験から学んだ。
2012年3月7~11日、リトヴィン最高会議議長は、原発事故処理での更なる協力推進、議会レベルでの二国間協力を強化、幅広い政治経済協力を話し合い、東日本大震災、津波、福島第一原発事故被災者への支援、震災後1年における被災者への哀悼の意を示すため、日本を公式訪問した。
訪問中、明仁天皇の長男である皇太子徳仁親王を拝謁し、野田首相、横路孝弘衆議院議長、平田参議院議長、森英介日・ウクライナ友好議連代表と会談を行い、環境大臣と震災処理、震災復興について議論し、核エネルギー問題、民間外交推進協会(FEC)、さらにウクライナとのビジネス協力について経団連委員と会談を行った。
最高会議議長率いるウクライナの議会代表団は、福島県と宮城県を訪問し、佐藤福島県知事、原子力安全・保安院、東京電力の代表団と会談を行った。
リトヴィン最高会議議長は福島第一原発および名取市美田園にある東日本大震災被災者用の仮設住宅や津波被害にあった名取市閖上地区を訪問した。
2012年3月11日、最高会議議長は、東日本大震災犠牲者の冥福を祈る、記念式典に参加した(名取市)。
2013年8月、日・ウクライナ友好議連代表、自民党議員、参議院副議長、荒井新党改革代表、前復興大臣、前外務副大臣らがウクライナを訪問した。福島・チェルノブイリの協力関係や、両国の経済貿易協力の強化が話し合われた。
2015年9月、日・ウクライナ友好議連代表団がウクライナを訪問。ヤツェニュク首相、グロイスマン最高会議議長、ウクライナ最高会議の日・ウクライナ友好議連委員たちと会談を行った。
2017年2月26日~3月2日、パルビー最高会議議長が日本政府の招きにより訪日。
訪日中、安倍晋三首相、皇太子徳仁親王、大島衆議院議長、伊達参議院議長、森日・ウクライナ友好議連代表、三ツ矢衆議院外交委員長、宇都参議院外交防衛委員長、若宮防衛副大臣、越川国際協力機構(JICA)副理事長らと会談を行った。
2017年6月11~18日、最高会議のイェメツ・ウクライナ日本友好議員連盟会長率いる議員団が日本の日・ウクライナ友好議連の招待を受け訪日。また、S.ソボレヴ議員、V.スタシュク議員、O.マソリナ議員も代表団に参加した。
この訪問では、代表団が岸外務副大臣、森団長率いる日・ウクライナ友好議連の議員団、宇都参議院外交防衛委員長、三ツ矢衆議院外交委員長と会談した。
両国の首相訪問
2009年3月25日~26日ティモシェンコ首相訪日
2009年3月25日、両国首相による共同声明合意。両国関係においてウクライナの首相が訪日するのは初めてのことであり、両国関係をさらに深める上で新たな段階の始まりとなった。ウクライナ近代化に関し、各経済セクターにおける省エネルギーや環境保護等の共同経済プロジェクトの実現など、経済分野を中心に両国関係の発展が期待される。
両国の外相訪問
1996年6月30日~7月1日池田外務大臣ウクライナ訪問
1997年5月18日~20日ウドヴェンコ外務大臣訪日
本訪問中の1997年5月19日、クィイヴ(Kyiv)における日本センター設立に関する覚書に署名を行った。
1998年3月ウドヴェンコ外務大臣が国連総会議長として訪日
2000年6月タラシューク外務大臣が小渕元総理の葬儀出席のため大統領特使として訪日。
2003年8月31日~9月2日川口外務大臣がウクライナ初訪問。両国による共同コミュニケに署名を行った。
2004年6月9日~11日グリシチェンコ外務大臣公式訪日
2005年7月ユシチェンコ大統領訪日。訪日中、タラシューク外務大臣および町村外務大臣による会談も行われた。
2006年6月30日~7月1日麻生外務大臣がウクライナを訪問
訪問中、外務大臣級のウクライナ・日本協力委員会の第一回会合が開催された。委員会では、外務大臣級のウクライナ・日本協力委員会の活動や合意事項に関する覚書に署名を行った(ウクライナ政府と日本政府の間で交わされた、ソロヴャネンコ記念ドネツク・オペラ・バレエ劇場の照明機材支援に関する文書)。
2008年3月24日~26日、第二回ウクライナ・日本協力委員会(外務大臣級会合)がオグリスコ外務大臣、高村外務大臣により東京で行われた。
両外相による共同声明への署名が行われ、本訪問の主な成果となった。
2011年1月のヴィクトル・ヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領訪日の枠組みにおいて、グリシチェンコ・ウクライナ外務大臣と前原外務大臣の会談が行われた。
2013年8月24~26日、岸田外務大臣がウクライナを公式訪問し、外相級の日・ウクライナ協力委員会の第三回会合が行われた。会合では2011年のヴィクトル・ヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領の訪日を終え、両国のグローバルパートナーシップの現状および更なる発展や日本首相のウクライナ訪問の可能性について話し合った。
2014年7月17日、岸田外務大臣がウクライナを訪問し、ポロシェンコ大統領、ヤツェニューク首相、クリムキン外務大臣と会談し、ウクライナ東部の現状、安定化策、影響を受けた地域の復興に必要な外国からの追加支援、ウクライナの経済、社会情勢向上に向けた日本からの金融支援、二国間関係における緊急の課題について議論した。
2015年3月2〜3日、クリムキン外務大臣が日本を公式訪問し、安倍晋三首相、岸田外務大臣、宮沢経済産業大臣、森団長率いる日・ウクライナ友好議連の議員団、田中国際協力機構(JICA)理事長、佐々木経団連副会長、松澤民間外交推進協会(FEC)理事長と会談した。
2019年10月21日、ヴァディム・プリスタイコ・ウクライナ外務大臣は、東京で茂木敏充外務大臣と外相会談を行った。
「GUAM・日本」会合
2007年より「GUAM・日本」会合が始まった。2007年6月、日本政府の代表者はバクーにて開催されたGUAM首脳会談に参加した。2007年12月4日~7日、「GUAM・日本」の第二回会合が東京で開催され、GUAM創設10周年を記念して、GUAM加盟国、日本政府の関係者が参加した。
2008年6月30日~7月1日、バトゥーミでのGUAMサミットにおいて「GUAM・日本」の会合が行われ、2008年12月4日~5日、ヘルシンキでのOSCE外相理事会の枠組みで外相レベルでの会合が行われた。
2009年2月19日、「GUAM・日本」の第四回会合が東京で開催された。
2013年5月17日、「GUAM・日本」の第五回会合が東京で開催された。
2015年7月16日、「GUAM・日本」の第六回会合が東京で開催された。
2015年12月3日、2016年12月9日、また2017年9月20日、外相レベルでの会合が行われた。