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「ウクライナに対する侵略は、ロシアの現在の国境線が変更することで終結する」
02 6月 2014 13:17

プーチン大統領の元顧問であり、現在はプーチン大統領を積極的に批判する論客の1人であるアンドレイ・イラリオノフは、「週」(Ukrainian Weekly)誌に対し、ウクライナ大統領選挙、新たな世界大戦の可能性に関する意見、また世界における新たな地政学上の対立に関する考えを述べた。 //

―「週」:最新の世論調査では、ロシア人の85パーセントがプーチンを支持しています。これはどう説明すればよいのでしょうか。集団的な精神異常の一種なのか、代償を必要とする集団的な劣等感なのでしょうか。この数字はかなり懸念すべきものかと思いますが。

―確かに、現代ロシアの歴史において、ソ連邦崩壊の数年前からと言っても良いが、ソ連で適切な社会学の手法が用いられるようになって以降は、このような政権支持率は見られなかった。当然ながら、このような数字は極めて危険である。この数字が物語っているのは、プーチン体制が行っている攻撃的な帝国主義政策に対する極端に高い支持レベルなのである。従って、これによってロシアの情勢はますます行き止まりへ向かって進むことになる。ロシア・ウクライナ戦争時に国民による政権支持率がずっと低ければ、比較的少ない流血で行き止まりから脱出するチャンスも残されるであろう。直ぐには無理でも、然るべき期間で可能であろう。しかし、このように高い国民の支持率は、ロシアの政権は自らの意思のみならず、社会の大部分の希望に従い、第4次世界大戦にまで拡大する可能性がある紛争に突き進んでいくしかないことを意味する。遺憾ながら、かかる戦争は我々の多くが考えるよりもずっと現実的であるということの証左である。なぜこのような現象が生じているのかという原因については、心理学者、精神科医、集団精神異常の専門家に意見を求めたほうが良い。当然ながら、かかる事例は過去の歴史でも起きたことがある。少なくとも、現在、我々は歴史文書からしか知り得なかった事例の目撃者となる可能性がある。どのようにして、また何故30年代から40年代始めにドイツ社会が帝国主義的侵略に集団で熱中したのか、またどのようにしてかかるプロセスが同時にソ連邦においても進行していたのかを目にすることが出来るのである。学術的な観点ではこれは当然ながら興味深いことではある。しかし、このような条件で暮らしている人々からすれば、状況は大変病的で危険である。

―「週」:アンドレイ、ロシアが帝国であろうとし、まさにこのフォーマットで発展しようと考えるのは何故なのでしょうか。経済の観点からすると、このシステムは世界的規模では非効率で競争力にも欠けます。これは後戻りしようとする慣性力なのか、あるいは何か別の理由があるのでしょうか。

 

―ここには2つの主な原因がある。1つは、合理的で、もう1つは相対的に非合理的な性格を帯びている。相対的に非合理なものとしては、イデオロギー的とも形容できる要因が挙げられる。実は、政権による通常の行為の多くは、国、国民、有権者や政権自身にとってどうすれば良くなるかという論理的な思考ではなく、何をどうすべきかという非合理的な思考から派生している。

 

ウラジーミル・プーチンの意識にはかなり長い時間をかけて、しかも彼自身によっても、いわゆる「ルースキー・ミール」のコンセプト、ロシア人という世界「最大の引き裂かれた」民族の「再統合」の理念が浸透していったのである。ロシア人を同じ国家の下に集めるという試みをイデオロギーで説明すれば、それは20世紀の20年代から30年代にアドルフ・ヒトラーとアルフレート・ローゼンベルグが主張した「引き裂かれた」ドイツ民族の「再統合」の必要性というコンセプトの正確なコピーに他ならない。同様の理論をハンガリーの報復主義者が第二次世界大戦の直前と最中に発展させ、第1次世界大戦前にハンガリーに帰属した領土の奪還に関するハンガリー政権の政策を正当化していた。良く似たコンセプトを同様に唱えたのがミロシェヴィッチ氏であり、「引き裂かれたセルビア民族」という主張を行っていた。かかる政策を推進しようと試みた者達、すなわちヒトラー、ホルティ、サーラシ、ミロシェヴィッチの最期は多くを物語っており、また哀れなものである。但し、哀れだったのは、独裁者のみならず、この暴挙で「肉弾」となってしまった国民、帝国の幻想を実現するために数百万の同胞を失った国民もそうである。

 

しかし、言わば「合理的」な原因もある。但し、現在の政策を記述するのにこの表現を用いるのが適切かどうかは別であるが。実は、現代のロシアで確立されている厳格な独裁体制の下で政権を維持するには、国民に対して敵の存在を見せつけている時が最も容易なのである。しかもこの敵は、体制のプロパガンダの産物であるだけでなく、国民の幅広い層にとって十分に説得力のある存在でなければならない。この15年の間にロシアの体制にとっての敵の役割を付与されてきたのは、チェチェン人、エストニア人、グルジア人、時にはラトビア人、ベラルーシ人、リトアニア人、ロシアのオリガルヒであった。これらのプロパガンダ・キャンペーンが一時的に成功することはあったが、概して、これらが憎悪によってロシア社会を強く焚き付けることは出来なかった。ウクライナ東部と同じく、プーチンの体制は分離主義キャンペーンを燃え上がらせることは出来なかったし、エストニア人やグルジア人のような恐るべき敵の存在も十分な説得力をもって長期に亘りロシア社会の注意をひきつけておくことは出来なかったのである。従って、様々な敵を何度となく模索してきた結果、最終的にプロパガンダの装置は使い古された反米主義の道を進むこととなった。反米主義の宣伝キャンペーンは、数十年の歴史があるソ連のプロパガンダと大衆意識を操作するための現代の技術の双方に基づいている。これがまず第1点目である。第2に、米国は、ロシア社会に圧倒的な印象を与えることが出来、またロシア国民、ロシア社会、ロシアの国家に現実の脅威として受け入れられる唯一の大国である。説得力のある脅威の役割を演ずることが出来る唯一の国が米国なのである。従って、プーチン体制そのものの需要、そして過去数十年間で磨かれてきたソ連及びポスト・ソ連国民の意識を操作する技術が、反米主義の一点で一致したのである。プロパガンダが作用するためには、反米主義のイデオロギーを常に煽る必要があり、これは我々が目にするところである。従って、イデオロギー的な要因とプラグマティックな要因があり、相対的に非合理な要因と相対的に合理的な要因の双方がロシアにおける報復主義の復活を促したのである。

 

―「週」:西側によるロシアとの交渉スタイルの効果を評価するとすれば、どれほど適切だと言えるでしょうか。不寛容を寛容で克服することは可能でしょうか。民主主義の手法で非民主的な相手を抑えることは可能でしょうか。

―欧州においても、西側全体においても、様々な勢力が存在している。プーチンのロシアの修正主義と報復主義の危険性を感じている人もいる。このような人々は少なくなく、その数はますます増えてきている。多くの人々は、東欧で何が起きているのか、帝国の行動に対し然るべき対応が欠如する場合、如何なる結果がもたらされるのか理解している。他方、西側世界の大部分は明らかなことを頑なに目にしようとしていないことも素直に認めなければならない。その原因はいくつかあろう。左翼主義者にとってはイデオロギー上の考えがあろうし、また右翼政党の連合にとって今やプーチンはリーダーになったも同然であり、またよくある買収もある。西側の政界、実業界、専門家の大部分は、プーチンとプーチン主義が存在する世界はどんなものであれ、プーチンの条件を呑むことも含めて、プーチンの侵略に抵抗するよりもましだと考えているである。

 

―「週」:ウクライナ人は、ロシアとの軍事衝突を耐え抜き、国家の独立を維持することができるのでしょうか。

全く疑念はない。今般は、まさにそうなるであろうと考えるだけの確証が増えてきている。しかも、大きな生存ポテンシャルが認められるのは、ウクライナの官僚でもウクライナの国家機関でもなく(確かに、国家機関では正しい方向に向けた前進が見られるようになってきてはいるが)、何よりもウクライナ社会に認められるのである。ウクライナ社会は、独立して20数年の間に、非常に長い発展の道のりを歩んだ。ウクライナ社会は非常に大きく変化し、成長し、ロシア社会よりも真剣で、進歩したのである。90年代初頭には、経済、政治や国家の変容に関する多くの問題に関し、ロシアはウクライナのずっと先を走っており、ウクライナはかなり遅れ、言葉を恐れずに言えば、「ソ連的」であったため、この差を詰めることは不可能とすら思われた。それが20年経った現在では、ウクライナは国内でポスト・ソ連的志向の名残を速やかに一掃しつつあり、これに対し、ロシアは昔へ逆戻りしつつある。民主主義、市民の自由、人権等のあらゆる重要な社会・経済指標において、ウクライナは20年間ロシアの先を行っていたが、今やこの両国の差はウクライナが有利なまま大きく広がっている。ウクライナにおいては、ロシアのチェチェン戦争時のような民間人の大量殺人は一度として起きたことはなく、ロシアのようなマスメディアに対する圧力も一度としてなかった。但し、クチマ政権とヤヌコーヴィチ政権時代にはマスメディアが圧力は受けたが。しかし、これはロシアで過去そして現在も起きていることとは比較にならない。現在、ウクライナ社会はより成熟している。独立広場での3か月間、ロシア・ウクライナ戦争の3か月間も含め、今般の出来事により、ウクライナ社会は更なるスピードで成熟し、更に団結し、ウクライナ的なるものとは何なのかをより深く理解し、社会と国家としてのウクライナに帰属するということの意味を理解したのである。これは、高い代償を払って得た重要かつ貴重な教訓である。

 

この教訓は、ウクライナでロシア語を巡る問題が存在すると主張するロシアの公式のプロパガンダが全く成立し得ないことも示した。何故ならば、世論調査によれば、言語をめぐる問題に関心があるのは、ウクライナのいくつかの州の住民の8~10パーセント未満に限られるからである。国全体のレベルでは、この問題は存在していない。更に、世論調査によれば、分離主義に対する支持も極めて小さいことが分かる。また、この3か月に亘るロシア側が行ったこと、またその行動ぶりは、自分の民族的出自に関わらず、統一したウクライナを維持しようとする人々の団結を強化したに過ぎなかった。重要なことを発見したので紹介したい。過去数か月に亘る出来事により、ウクライナには民族的にはロシア人であるが、ウクライナの愛国者である者が数多くいることが判明したのである。これは、ロシア語を話し、ロシア文化に帰属していると感じている人々であるが、同時に彼らは独立したウクライナの積極的な支持者でもある。これは非常に重要な現象である。現在、ウクライナ領内には約700万人のロシア系ウクライナ人が居住している。その半数以上がウクライナの独立を明確に支持するロシア人なのである。これは、ウクライナが現代的で、民主的な多民族社会として確立され、そこではロシア人が最大の少数民族の1つとして重要な役割を果たしていることの重要な証左である。

 

―「週」:ウクライナとの戦争は、ロシア内での分離主義プロセスに何らかの影響を及ぼすのでしょうか。多くの研究者は、ウクライナ東部で分離運動を組織することは、ロシアの諸民族の分離運動を刺激する旨述べています。他方、ロシア人は厳格な垂直型組織に慣れてしまっているので、直ぐに変化が現れることはなかろうと言う人もいます。

―自分は少し違った言い方をしよう。重要なのは、現在、ロシアへの直接的な影響は、少なくとも社会学調査にその痕跡を見つけようとしても、発見することは困難である。しかし、中期及び長期の展望について言えば、プーチンにより開始されたロシア・ウクライナ戦争は、第4次世界大戦へと確実に繋がり、それが侵略者の敗北によって終了することは避けられない。同様の侵略は、たとえそのスローガンが「遺伝的優勢」であろうと、「引き裂かれた民族の統合」であろうと、侵略者の勝利で終わった事例を歴史は知らない。侵略者は常に打ち負かされ、侵略者の勢力は撃破され、攻撃した側の体制が武力紛争以前に支配していた領土は、勝者の決定により、大きく変更されたのである。1914年夏のドイツ帝国の領土と第1次世界大戦後のドイツ領土、また1939年9月1日のドイツ帝国の領土と現在のドイツの面積、また第2次世界大戦前後のハンガリーの領土、スロボダン・ミロシェヴィッチがユーゴスラヴィア紛争以前に支配していた領土と戦後の領土を比べれば十分である。侵略者にとって、侵略の歴史の結末は常に同じである。ここから、ウクライナに対して戦争を開始したプーチンは、パンドラの箱をロシア、ロシアの諸民族に対して開けてしまったと考えることが出来る。これはロシア民族、数百万ものロシアの住民に対して将来の悲劇を保証したも同然であり、現在のロシア連邦の国境は縮小する方向に変化することへとつながるのである。

 

 

http://tyzhden.ua/Politics/111051

 

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