ペトロ・ポロシェンコ・ウクライナ大統領は、岸田文雄外務大臣との会談を行った。
ポロシェンコ大統領は、ウクライナの国家主権および領土一体性への日本側の明確な支持に対し感謝し「G7における日本の立場や、国連安全保障理事会、国連総会でのウクライナ支持に深く感謝いたします」と述べた。
ポロシェンコ大統領は、欧州委員会および米国による対ロシア追加制裁に触れ、日本に対して民主国家およびG7参加国として連帯を求めた。
また、経済改革支援として15億米ドルを超えるウクライナへの強力な財政支援に感謝の意を表した。このうち11億米ドルはボルトニチ浄水場の再建プロジェクト向けソフトローンである。
ポロシェンコ大統領は、輸出やウクライナへの輸出を支援する日本からの3億米ドルのクレジットライン(信用供与枠)や、世界銀行と共に行われた1億米ドルの開発融資にも感謝した。これら融資に関する調印は本日行われる。
また大統領は、2014年秋のウクライナ・ドナー会議に日本を招待し、ウクライナ東部でテロリストに破壊されたインフラ復旧支援の参加国となるよう要請した。
ポロシェンコ大統領は、IMFと世界銀行の年次会議で2012年に東京を訪れた。当時は安倍首相が首相就任した頃で「我々は、あの当時から今日までの日本経済の前向きな変化を高く評価している」と述べた
ポロシェンコ大統領は、安倍首相を都合しだいでウクライナに招待したいとの意向を伝え「いまこそ両国の関係を強化し、効率化できるとき」と協調した。
岸田文雄外務大臣は、ウクライナ大統領選挙では、ウクライナ国民の改革と安定性を求める気持ちが良く表れており「国家が最も困難な時期にあるなかでのウクライナ国民の行動に敬意を表し、日本の力強いウクライナ支持を約束いたします」と述べた。
岸田外務大臣は、日本はウクライナ問題がエスカレートし始めた頃から、ウクライナの国家主権および領土一体性の保護を一貫して訴えてきたことを強調し、事態の平和的解決が重要であると述べた。
岸田外務大臣は、改革、地方分権、少数派言語の保護、腐敗根絶に取り組むポロシェンコ大統領の姿勢を高く評価した。また、経済発展、民主主義の強化、国家対話という日本のウクライナ支援における3つの方向性を伝えた。また、8月には安倍首相の要請により、経済問題を話し合う政府高官級の会談が予定され、事業経営者の代表者がウクライナを訪問すると述べた。岸田大臣は司法関係者が日本を訪れ、交流を図ることを提案した。また、日本は、法の支配を強化し、行政機能を効率化するための技術協力を拡大する用意がある。さらに日本は、戦闘のためやむなく自宅を離れた避難民のため26万米ドルを供与する用意があると伝えた。
また、宇宙分野における二国間強力についても活発な議論が行われた。