在日ウクライナ大使館

キエフ 13:43

貿易・経済協力

ウクライナと日本の貿易・経済関係と投資活動の現状

2017年は、日本との貿易・経済協力が活発化した年であり、ロシアによるウクライナ侵攻で商品流通が急激に落ち込んだ2014年以前のレベルに近づいている。

ウクライナの国家統計委員会によると、2017年の9ヶ月間で総売上高は7億300万米ドルに達し、前年同時期に比べて27%増加した。貿易収支はマイナスのままであり、2016年の9ヶ月間でマイナス3億6640万米ドルとなった。

2017年の9ヶ月の間に、ウクライナから日本への商品輸出は前年同期比で24%の増加を示し、1億6830万米ドルであった。日本からの輸入品は、前年同期比で27%増加し、5億3470万米ドルに達した。

(百万米ドル) 

 

2009

2010

2011

2012

2013

2014

 

2015

 

2016

9ヶ月

2017

9ヶ月

商品流通

630.6

906.6

1166.6

1 519.1

1 443.0

839.2

630.3

514.9

703.0

輸出

111.2

104.8

152.5

320.5

458.4

220.5

243.0

127.3

168.3

輸入

519.5

801.8

1014.1

1 198.6

985.0

618.7

387.3

387.6

534.7

差額

-408.3

-697.0

-861.6

-878.1

-536.4

-398.2

-144.3

-260.3

-366.4

ウクライナの主な輸出品は、鉄鉱石と濃縮物(49%)、たばこ製品(28%)、穀物、主に飼料用トウモロコシ(11%)、非鉄金属、主に未加工のアルミニウム、チタンおよびチタン製品(8%)および化学製品(1%)であり、ウクライナの日本向け輸出の約97%を占めている。

日本からの輸入品は、主にハイテク産業の製品に基づいており、大半が自動車関連製品である。最も多いのが乗用車等の車両(55%)、次にエネルギー機器(11%)、3番目は光学装置・機器(6.4%)、4番目はタイヤ(4%)である。2017年10月現在の日本からウクライナへの直接投資額は1億4040万米ドルである。報告期間における伸びは約1000万米ドルであった。日本の投資は、日本の自動車の販売およびサービス提供、自動車部品の製造、たばこ製品(日本たばこ)の製造に集中している。同時に、ヨーロッパにある日本企業の支店の直接投資を考慮すると、ウクライナ経済への日本の投資は3億米ドルに達する。ウクライナの日本への投資については記録がない。

最近の日本のウクライナへの投資は、欧州市場向け自動車の電気ケーブル生産を行う、リヴィウにあるフジクラ工場(リャスネ2工業団地内)である。彼らの事業計画にとって、ウクライナとEUが共通の市場を有していることは最大の利点である。日本企業が製造投資を行う際、製品は国内市場向けだけでなく、欧州市場やCIS市場への輸出、そして欧州製品での使用も視野に入れている。このような傾向は、ウクライナがEUとの包括的自由貿易協定(FTA)の枠組みでEU共通市場に参入した後、非常に大きな意味を持つ。

日本からウクライナへの投資は、2015年に両国の間で投資の促進と保護に関する協定が締結されたことで勢いを増している。

2015年の5月30日、経団連のウクライナ部会、ステパン・クービウ第一副首相兼経済発展・貿易大臣、朝田丸紅取締役会長を共同議長とする第7回日本ウクライナ経済合同会議がキエフで開催された。合同会議では代表者たちがプレゼンテーションを行い、有望な協力分野と既存の問題について意見交換が行われ、インフラプロジェクト、旅客および貨物輸送、機械製造、IT分野、エネルギー協力、環境、農工業コンビナート開発において、さらなる協力の必要性が指摘された。また、合同会議の枠組みにおいて、日本のビジネス代表者とペトロ・ポロシェンコ・ウクライナ大統領の会談が行われた。

2016年11月に東京で開催された第6回合同会議での合意に基づき、2017年3月15~18日、投資支援会社UkrainrInvest の招待により、21世紀をリードする企業の代表者たちがJETRO主催ウクライナ経済視察ミッションの枠組みでウクライナ(キエフ、リヴィウ)を訪問した。日本代表団のメンバーはウクライナおよび各地域の投資可能性について学んだ。

独立行政法人国際協力機構(JICA)の北岡理事長は6月17日にウクライナを訪問した。日本からの約10億米ドル相当の融資によりウクライナで実施された、キエフのBボルトニッチ下水処理場改修の「メガプロジェクト」の概要を検討した。ズーブコ副首相兼地域発展・建設・公共サービス相、角在ウクライナ日本大使による検討の結果、プロジェクト実行に関して前向きな結論が得られた。

2017年11月の訪問中の合意に基づき、ウクライナにJICAの事務所が開設され、日本の経済的支援に基づく公共開発援助プログラムの拡大、特にインフラ開発や環境保護が約束された。

近い将来にはウクライナ・日本のボルトニッチ下水処理場改修プロジェクトの請負業者が決定される。また、ニコラエフの橋建設、オデッサ、ニコラエフ、ヘルソン、ザポリージャといった主要な農業、工業地域を結ぶ港の建設等、ウクライナ南部の輸送インフラ近代化プロジェクトにJICAの支援を呼ぶための検討が行われた。5月、日本側はこれらのプロジェクトを実施するための公式の申請書を受け取った。 このプロジェクトについては2018年に本格的な交渉が予定されている。2017年9月20日、ニューヨークで開催された第72回国連総会のオープニングにおいて、GUAM(民主主義・経済発展のための機構)各国の外務大臣会談および第5回「GUAM+日本」外相級会合が日本の河野外務大臣が参加して行われ、GUAM+日本協力プログラムの現状および展望について、貿易・投資、エネルギー、緊急事態、観光、交通、文化、農業、医療、環境など協力開発の優先分野が話し合われた。

2017年1月、東京では、日本外務省の支援を受け、GUAM加盟国の専門家による観光業に特化したセミナーも開催された。

日本側との協力により、ウクライナ企業・団体が日本の主要な展示会や見本市に参加した。ウクライナ企業のBio land、Veres GroupがFOODEX JAPAN 2017国際食品・飲料展に、JETROの支援により参加し、JETROゾーンに出展した。また、ツーリズムEXPOジャパン2017(東京、9月21~24日)に、2010年以来となるウクライナのブースが出展した。ウクライナのブースは日本側の協力によりGUAM加盟国との共同ブースで出展された。黒海地域に特化したセミナーを行い、日本人観光事業者向けにウクライナの観光潜在力に関するプレゼンテーションが行われた。

2017年、日本政府は約400万米ドルを配分した。米国は、ドンバスでのロシアの武力侵略による国内避難民と被害者を支援するための援助を行っている。これらの支援は、ウクライナの国際機関と国連機関およびウクライナ地域開発省の調整の下で実施されている。

日本では稀なことに、この年はウクライナの輸入品に関して、反ダンピング調査で違反は見つからなかった。

日本企業との協力においては、ウクライナの経済、エネルギー産業、地方自治体等、様々なセクター向けの近代的な省エネルギー技術、環境に優しい技術が有望な分野となる。ウクライナの交通、エネルギー、農業インフラの開発、特にその材料的・技術的基盤に対する日本からの投資誘致も協力が期待されている。次回の二国間協議ではこうした協力関係の展望が議論されるであろう。