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ウクライナ駐日大使「勝利を確信」 親ロ派制圧へ意欲

02 9月 2014, 05:55

ウクライナ 駐日大使「勝利を確信」 親ロ派制圧へ意欲

#ウクライナ 駐日大使「勝利を確信」 親ロ派制圧へ意欲

ウクライナのイーホル・#ハルチェンコ 駐日大使が朝日新聞の取材に応じ、東部地域で激化する親ロシア派勢力との戦闘について、「戦闘の凍結などの妥協はしない。我々は勝利を確信している」と述 べ、地域の安定に向け親ロシア派の制圧作戦を優先する姿勢を示した。戦闘への直接関与を強めるロシアに対し強い危惧を表明し、日本を含む主要7カ国 (G7)が協調しロシアへの圧力を強めるべきだと訴えた。主なやり取りは次の通り。

 ――現在の東部地域の状況は。
数週間前から、ロシアがあからさまに国境を超えて戦闘員を送り込んで来ており、実質的にはウクライナとロシアの戦争だ。残念ながら東部の国境の一部は親ロ シア派が支配しており、ウクライナの管理が及んでいない。ロシアは派兵を否定しているが、クリミア併合の際も、最初はロシア軍の展開を否定し、後になって認めた。
 ――最高議会選挙が近いようですが、ヤヌコビッチ前大統領の与党「地域党」は大半が離反している。ドネツクやルガンスクなど東部地域の住民代表を担う党はありますか。
選挙は10月に行うだろう。東部地域の声を誰が代弁するかは地域住民の問題だが、まずは戦争を終えなければ選挙の実施は難しい。10月までに制圧作戦が終わるよう期待するしかないが、戦闘の凍結などの妥協はない。我々は勝利を確信している。
 ――長引く混乱で国内経済は低迷し、ロシア産天然ガスの輸入再開のめども立っていない。冬になるまえに、輸入再開の交渉が必要ではないか。
天然ガスについては、ストックホルム商業会議所の仲裁機関に提訴し協議を続けている。国民は、困難が待ち受けていることを理解しているが、まずはロシアが支援するこの暴力を止めなければならない。経済はその次だ。

 ――プーチン政権が主張する、ロシア語を母語とする住民の保護についてはどう考えますか。
ウクライナに言語の問題はない。ロシアが政治の道具にしているだけだ。国民は今も自由にロシア語を話しており、ウクライナ語にはウクライナ語で、ロシア語 にはロシア語で答える。ウクライナは常にバイリンガルの国だ。天然ガスやプロパガンダと同じくロシアの帝国主義的政治が言葉を武器として使っていることが 問題だ。
ロシアは、ウクライナで親欧州路線の政権が発足した2004年の「オレンジ革命」以降、反ウクライナのプロパガンダを続けている。プーチン政権はウクライ ナからの情報を遮断し、テレビはプーチン政権のプロパガンダを流している。ウクライナが自由な民主主義を実現したのと同じことがロシアで起きることを恐れ ているのだ。この影響は世代を超えて残り、ロシアが再びウクライナから信用されるのは、次の世代の話だろう。

 ――日本が科している対ロシア制裁についてどう評価しますか。
制裁については、各国それぞれの考えがあるが、日本政府が表明した対ウクライナ支援には感謝している。
 ――ロシアとの間に北方領土問題を抱える日本の姿勢は、米国や欧州諸国と比べて弱いという指摘もあります。 それぞれの国にそれぞれの考えがある。だ が、世界の安全保障は各国がばらばらに取り組むべき問題ではない。現在のロシアに譲歩の姿勢は見えず、主要7カ国(G7)が協調し、ロシアに対する政治や 経済面での圧力を強めるべきだ。

 ――24日は、ウクライナがソ連から独立して23回目の記念日です。
自由な自分たちの国をつくりあげた国民の最も大切な祝日だが、経済など全ての面でうまくいったとは言い難いのも事実だ。ウクライナは、人間に例えれば大学 を卒業したばかりの若干23歳の若者。今は飛躍的な進歩の最中であり、ロシアとの問題を解決し、欧州連合への統合に向けた政治改革を進めなければならな い。(機動特派員・大野正美、石橋亮介)